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局所麻酔剤Xylocaineの耳鼻咽喉科領域に於ける試用経験
一色 信彦
1
,
松本 明
1
1京都大学医学部耳鼻咽喉科
pp.132-134
発行日 1957年2月20日
Published Date 1957/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201742
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局所麻酔学の発達と共に,今日一般に使用されている局所麻酔剤も多種多様となつた。しかし我我耳鼻咽喉科医は外来或いは手術場に於て迅速なる局所麻酔作用を要求する場合が多い。このために現在我が教室比於ては局所麻酔剤としてペルカイン及びコカインを好んで使用している。ペルカイン,コカインは麻酔深度,持続時間及び作用発現時間等に関してはかなり優れた効果がみられるが,その反面局所刺戟作用及び毒性も大きく,それによる急性中毒其の他の不快な偶発症をしばしば経験する。そのため我々は毒性低く,作用発現の迅速で且つ長時間効果の持続する化学的に安定性の大なる新局所麻酔剤の完成を要望していた。
Xylocainは1943年Löfgrenによつて合成され1948年T. Grodhが之について始めて臨床実験を行つたものである。
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