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Otic Ilotycinの各種耳疾患(就中慢性化膿性中耳炎)に対する局所療法について
未広 恵三
1
,
大西 襄
1
,
小原 幸子
1
1北野病院耳鼻咽喉科
pp.125-129
発行日 1957年2月20日
Published Date 1957/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201740
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緒言
ペニシリンを矯とし,相次いで発見創成せられた諸種の抗性物質の各種耳疾患に対する治療効果には刮目すべきものがあるが,慢性化膿性中耳炎に対しては未だにその効果を期待し得ぬ場合が尠くない。慢性化膿性中耳炎の諸種薬剤による保存的療法には局所病変の性質及び程度によつて自から限界があるが,起炎菌の薬剤に対する耐性獲得等の問題を考慮する時には,新しく創成せられる抗性物質の本疾患に対する治療効果についての期待は大きい。
私達は今般塩野義製薬の好意によりOtic Ilotycin(学名 Erythromycin Lilly)の提供を受け,本剤を各種耳疾患就中慢性化膿性中耳炎に試用する機会を得,些か見るべき成績を得たのでその概略を報告する。
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