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興味ある難聴症例について
高木 二郞
1
,
福島 龍也
1
,
竹上 琢磨
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.31-34
発行日 1957年1月20日
Published Date 1957/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201714
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緒言
近来Audiometerによる聴力検査が著しく進歩し,閾値検査或いは閾値上検査の成績が難聴の鑑別診断に重要な役割を演じている事は衆目の認める所である。併し乍ら注意すべき事はAudiometerの諸検査によつて得られた結果のみで凡ゆる難聴の鑑別診断を確定し様とすれば,我々は屡屡重大な矛盾に遭遇する事である。とは言いながら之の事は決してAudiometrieの価値を低める事ではなく,Audiometrieに関心を持つ吾々にとつては更に難聴の鑑別診断を確定出来る迄,発達させる事が最大の希望であると信ずる。
吾々は最近中村臨床に於いて診断の難しい而も興味ある難聴症例を経験したので文献的考察を加え乍ら報告したいと考える。
Takagi and associates report cases of hearing disturbance that presented diagnostic difficulties, The first case is found with conduction deafness of unknown etiology: the second, conduction deafness accompanied by disturbances in low-tone perception.
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