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Sturge-Weber氏病の1例
梅田 良三
1
1金沢大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.687-689
発行日 1956年10月20日
Published Date 1956/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201654
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緒言
1879年英国人Sturgeは顏面右側の血管腫と同側の緑内障を有し,左手に始まる癲癇様痙攣発作を併発せる症例を報告し,1922年Weberはこの種患者の頭蓋レントゲン像で,特有な二重輪廓を呈せる波状の石灰化像を見出した。
更に1936年BergstrandとOlivecronaは顔面紅色母斑,緑内障,脳の石灰化を主徴候とし,癲癇様痙攣発作共の他の脳症状を併発せるものを一独立疾患とし,之をSturge-Weber氏病と呼称した。本邦に於ても十数年前から本症の報告が見られるようになつたが,本疾患主症状からして最初に我が科を訪れる事の尠きは当然であり,我が科領域における本文献の見当らないのも又当然と思われる。私は最近顏面の紅斑並に流涎を主訴とする幼児で本症と考えられる症例に遭遇したので茲に報告する。
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