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Sturge-Weber氏病の3例
齋藤 佳雄
1
,
濱田 芳郞
1
1東北大學皮膚科教室
pp.699-700
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200866
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1860年Schirmerは額面血管母斑と先天性緑内障の合併例を記載し,1879年Sturgeは顔面右側に血管腫と牛眼とを有し左手に始まる癲癇様發作を併發せる少女例を報告し,腦の右側にも顔面同様に母斑樣變化が存在するだろうと推論した。1922年Weberはこの種の患者にレントゲン線検査で腦攣變化の存在を指摘した。1936年Olirecrona及びBergstrandが是をSturge-Weber氏病として1獨立疾患と見做し,Van der Hoeve及びTouraine, Duperatは是をPhakomatoseに編入した。本症は極めて稀有にして主徴候として第1は額面特に三叉神經第1,2枝域に於て概ね偏側性に火焔状の血管腫が生來認められ,第2に同側の眼球に先天性緑内障或は牛眼症を示す。第3に近接の軟腦膜にも血管腫を生じ更に種々の腦病變就中反對側の癲癇様發作或は半身不全麻痺を合併するのが典型であるが低腦痴呆を件う場合も存在する。さてこの3主徴を具えた典型例は極めて僅かで大部分はその1症状の輕微なもの或は缺如せる症例で不全型と云うべきものである。余等も亦不全型と考えられる例を觀察する機會を得た。
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