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Sturge-Weber氏病
塚田 進
1
,
菊池 省吾
1
1東北大學醫學部附屬病院長町分院皮膚科泌尿器科
pp.362-363
発行日 1950年9月1日
Published Date 1950/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200392
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緒言
Schirmer(1860)は初めて偏側顔面血管腫に同側眼の牛眼の合併例を報告した。Sturge (1879)はこれに全身性癩癇發作の加わつた1例を報告し,次でWeher (1922)の1例ではJackson氏癩癇發作も見られ,頭部レ線寫眞では特有な石灰化像が認められた。斯く顔面血管腫—多くは偏側—,同側の牛眼乃至緑内障及び脳内石灰沈着症を3主徴とし,これに同側の脳障害に因る癩癇發作と共に他脳症状を合併する病症は1つの單位疾患と看做してBergstrand及びOlvocrona u.TonnisによりSturgc-Wcber氏病の稱呼が與えられる。本症は眼科,精神科及び皮膚科の領域にわたるものであるが,その大部分の報告は前二者の方面から出ている。1936年にBergstrandは自家經驗例を加えて108例を,1939年にMussey及びMillerは145例を文獻から蒐集した。本邦皮膚科領域では1929年に新潟醫大皮膚科教室から大野武司氏が甫めて本症を報告し,最近では(1941年)東大皮膚科教室の川村太郎氏の報告がある。眼科及び精神科に報告例比較的多く皮膚科に少くないのは,顔面血管腫のみに捉われて眼症状や脳症状を見逃すためか或はその方面の苦訴をもつて他二科を訪ねるものが多いためであろう。就中眼科に比較的多いのは線内障乃至牛眼を起す割合が癩癇等の脳症状を起す割合より多い爲であろう。
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