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副鼻腔多洞手術に於けるウイタミンの応用(第1報)
森川 富郞
1
,
福田 芳正
1
,
江里口 和子
1
1佐賀県立病院好生館耳鼻咽喉科
pp.672-674
発行日 1956年10月20日
Published Date 1956/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201649
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副鼻腔の手術に経験のある者は誰れも感ずる事と思うが,極度に制限された視野の下で手術を行うので,先ず出血の問題があると思う。次に鎮痛の問題で此れは中々麻酔が困難である。全身麻酔で行えば良い様なものであるが,直接気道と連絡している為に出血液の嚥下の恐れがある事それを防こうとすれば色々わずらはしい前処置を行わなければならない。而も直接頭蓋顏面壁に侵襲を加える為に麻酔が醒め易い。従つて全身麻酔の進歩甚だしい現在に於てさえも副鼻腔の手術は局麻法に依る事が一番多い。
吾々が副鼻腔め手術に於て最も望しいものは,出血量が少く,鎮痛作用があつて而も意識が残存する麻酔法(麻痺法と言つた方が正しいかも知れない)である。
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