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新局所麻酔藥オノカインの臨床経験
中村 文雄
1
,
丸山 良平
1
,
竹上 琢磨
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.129-131
発行日 1956年2月20日
Published Date 1956/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201503
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緒言
耳鼻咽喉科領域に於ける鼻咽腔粘膜の局所麻酔藥として従来塗布麻酔には塩酸コカインが,浸潤麻酔には塩酸プロカインが主として使用されて来た。コカインはその麻酔作用が迅速確実ではあるが,使用過量の場合及び連用の場合には吸收されて好ましくない中枢作用及び習慣性を生ずる事があり,又近来麻藥取締法の為其の取扱は不便であり,非常に高価である為不経済でもある。故にこれに代るべきすぐれた麻酔藥の登場は我々が希望する所である。事実今日迄多くの麻酔剤が次々と採用され,それぞれ特徴を発揮している。
我々耳鼻科領域に於ける粘膜塗布麻酔及び局所浸潤麻酔としてコカインの他にプロカイン,ヌペルカイン,ツトカイン,トロパコカイン,パントカイン等があるが,今日では最も多くプロカイン及びヌペルカィンが用いられている。又最近モノカィン,キシロカイン,ウナカイン等が現れてその優秀性は伝えられている所である。
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