特集 耳鳴と眩暈
第1章 耳鳴
耳鳴の数値的表現と分類
水落 知
1
1北海道留萠市立病院耳鼻咽喉科
pp.750-755
発行日 1955年12月25日
Published Date 1955/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201453
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序
私には「耳鳴の数値的表現と分類」と課題され,御引き受けしたものの,耳鳴に関する先人の業績を繙く時,その多くは将来に俟たねばならぬことを痛く感ずる。然しながら今日までの発展のあとをたどるとき,耳鳴の分析が近い将来に於いて,聴覚機構解明の一手段として,或いは又重要なる耳科学的検索法として占めるであろうところの分野を考えるとぎ,そこに盡きざる興味を見出すのは,単に私のみであろうか。元来耳鳴なるものは心理的要素が大いに関係し,又極く一部のものを除いて,他覚的に把握することの困難なものであることを考えると,これを数値的に表現したり,或いは又分類したりすることには無理は避け難いのであるが,私の数値的表現と分類に対する意見とでも解釈して頂いて,諸賢の御批判を頂ければ幸之れに過ぐるものはないと思う。
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