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我々日本人の間に,どの位の頻度で耳鼻咽喉科疾患が存在しているかという様なことは,我々として当然知つて居なければならない基礎知識の1つではあるが,此の問題について従来我々の持っている知識は,少くとも成人に関する限り,専ら産業衛生学的方面より見た特殊環境下の,或は外来及び入院患者についての統計的数字に依つたものであつて,1地域における全般的な観察に関する資料は殆んどないと云つてよい。勿論之の事は小児に於ける学校身体検査の様な全体的検査を,1地域の成人に偏りなく実施する事が今日でも甚だ困難である以上,当然と云わねばならぬかもしれない。
最近私は松本市近郊某村々民を任意標本抽出法(random sampling method)を用いて選定し,それらの人に耳鼻科的観察を行う機会を得たので,極めて限られた地域よりの成績ではあるが,標本(sample)に偏りがないと云う点で従来の文献の欠を補う1資料になりうると思い,簡単に報告する次第である。
KOIZUMI sollicits 501 persons taken at ran-dom as volunteers to become subjects of a stu-dy comprising the rate of mobidity to otolaryn-gological diseases among the rural dwellers. Of this number 11.8 percent are found to be affected with chronic sinisitis ; the incidence of the affection being decreased as the older age group is approached.
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