特集 耳鼻咽喉科診療の進歩
補聽器の進歩
大和田 健次郞
1
,
西端 八郞
1
1慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.607-616
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201233
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Ⅰ.補聽器の歴史 我々が遠くの音をよく聽こうとする場合に,掌を耳介の後に当てるとよく聽える事は誰でも知つている。掌が一種の集音に役立つのであろう。難聽者がこの方法で聽力を補つている事はよく経験する事である。この動作は既に原始人に於ても行われていたと云う。
補聽器の最初の記録は17世紀のAthanasinsKircherであるらしい。1673年の記録によると6ブイート位の漏斗状の管で,細い端を耳に当て,他端から話をするようになつている。
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