特集 難聽研究の進歩
雑音による聽力檢査
大和田 健次郞
1
1慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.597-600
発行日 1952年12月20日
Published Date 1952/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200807
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Ⅰ緒言 雑音による聽力検査ということは,現在の聽力検査が分析的の方向を取つているとき,逆の方向を進むものかもしれない。分析的な考え方からすれば雑音とは何かということになる。雑音といつても種々あり各含まれる周波数やそのレベルが違つている。この中のどの周波数できいたかということは到底わからない。然し現在行われている分析的方法だけが絶対正しいものとも考えられないので,多くの周波数を含んだ雑音によつて検査を始めたのである。この検査の結果が,聽力損失曲線と一致しないようなきこえ方の患者に,或は一致するような結果を得られはしないかと思つたがこれは後の問題として.雑音による聽力損失値とオーヂオグラムの値との比較を検討してみた。雑音としては後に述べるガス放電管を用いた。
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