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オーヂオメーターによる最小可聽閾の測定に際しては,刺戟としてあたえられる音は絶えず斷續器(Tone Interrupterによつて斷續され,決して持續的の音刺戟をあたえてはならないこと1)が既に多くの學者によつて強調され,その理由を聽覺の疲労に帰している。そして實際に我々が患者に就て検査を施行する時,斷續器を用いる場合と用いない場合とでは明らかに異つた結果を生ずる。即ち,斷續器を用いて音量を減衰しつゝ,可聽(audible)より不可聽(inaudibleえ向つて求めた閾値A)と,同じく斷續器を用いて音量を増幅しつゝ求めた閾値B)と,次に斷續器を用いずに音量を減衰しつゝ(C),又増幅しつゝ(D)求めた閾値とでは,一般にC>D>B>Aの關係が認められる。そして我々が普通被検者の最小可聽閾として採用するものはBとAとの間にある1)。
私は實際に諸種難聽者のオーヂオグラムを作成中,特に極端にCとA(又はB)との間隔が大なる者に相遇し,この點に就て少しく詳細に追求せんとして次の實驗を行い一應の成績を得たのでこゝに發表して大方の御批判を乞いたいと思う。
TSUIKI notes that, when two successive audiograms are taken of the same ear in a person who is affected with hard of hearing, there is invariably a diminished hearing capacity shown in the second. That difference in the two audiograms is definitely more marked in the ear affected with perceptive deafness. And, it is assumed that the cause for it lies in an element in play which might be either fatigue or usage.
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