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鼻とクシヤミ病と感冒
小林
pp.323
発行日 1953年7月20日
Published Date 1953/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200923
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若し必要なクシヤミを行わずにいると,分泌液は肺胞内に溜まる。此の溜まつた粘液が,病原菌の培地となり得る。インフルエンザ菌にしても,肺炎菌にしても,其の他の獨特の感冒病原體にしても,肺胞内の汚物疎通の惡いのに乘じて,其の所へ坐り込み,繁殖して結果は感冒の原因となる。クシヤミは此の危險を防止する手段である,と云つている。
此の意見に從うと,クシヤミは感冒の前驅症ではなくて,寧ろ豫防方法である。クシヤミをして足りないから感冒に陷るとも云えそうである。またクシヤミは決して遠慮すべきものでないのである。大いに豪放にやる方が衞生上よろしい。
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