--------------------
持続勃起症のPumping及び催眠療法による治験例
瀨尾 政記
1
1小野田病院
pp.1055-1057
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201851
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
本症は世界的には約400例,我国に於ては約17例の僅少な報告がなされているに過ぎず,成因は腫瘍によるもの21%,白血病によるもの20%,特発性11.6%,性的異常刺戟によるもの11%,外傷7.5%,其他の疾患によるもの約30%とされている6)。
大越氏によれば,総ての症例の場合を包含する定義はむずかしいが,1.異常な持久性の勃起(3日以上持続),2.性感を伴わずそれのみでなく多くの場合疼痛がある,3.陰茎海綿体のみがおかされ,尿道海綿体はおかされてないことが多い,その関係上勃起状態の極期でも排尿が可能である。4.発症は突発的なるに反し,治癒は緩慢なことが多い。5.触診すると冷い。この1〜5の項目を連ねれば定義ということが出来るであろうと述べている。文献上治療法として種々な非観血的療法及び観血的療法があるが,本症例に於ては,Pum-pingで勃起を頓挫せしめ得たこと及び後貼症としての勃起不能症に催眠療法が著効を奏した点が特異であると考えられるので,一例を報告する。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.