CLINICAL REPORTS
扁摘後15年にして発生した口蓋扁桃腺周囲膿瘍の1例
柿沼 美清
1
1日本大学耳鼻咽喉科教室
pp.351-353
発行日 1951年8月20日
Published Date 1951/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200539
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緒言
扁桃腺摘出術の最も重要な目的の1つは習慣性アンギーナ及び習慣性扁桃腺周囲炎並びにその合併症殊に扁桃腺周囲膿瘍の発生を予防することである.ところが扁摘後もなお其の瘢痕部を中心として膿瘍を形成することがあるのは注目すべき事である.外国に於てはSadowski(7)Linok(5)Hinsberg(1)の報告があり,吾が国に於ても,小島(4)平岡(2)堀越(3)の報告がある.然し吾が国の諸報告は何れも扁摘後2〜3年後におこつたものであり,私の渉猟した限りでは本例の如く,長年月後のものは見当らないので,ここにその経過の大要を報告し,追加したいと思う.
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