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緒言
骨腫とは骨組織よりなる眞性腫瘍である.これを構成する組織の成分によつて硬性(緻密質)骨腫,軟性(海綿質)骨腫及び混合型骨腫に分類されている.
ふるい統計では硬性骨腫が多いとされていたが,新しい統計では混合型骨腫が多い.Eckert Möbiusは海綿質骨腫ぱ幼弱型で,海綿質の周園に緻密質の形威が行は幅結果混合型が出來ると考えた.從つて緻密質は線維性の髓をもつ海綿質の周邊に殼状に,或は島状に存在する.この海綿質が全く緻密變質につたものが緻密質骨腫である.Eckert Möbius,Fetissof,神尾ぱ緻密質の内面で海綿質との間に肉腫樣構造を示す骨軟化巣を認めると云つている.骨腫を形成する綿織成分の配列及割合は上記の樣に正常と異なつてをり,且これを形成する成分の微細構造も正常と異る.又之等の骨腫を形成する成分の間には可成廣い結締織が認められることがあり,これは骨腫を被ふ粘膜又は骨膜の結締織と連絡がある.骨腫と母地とを結ぶ柄は廣鋏の差はあるが,海綿質よりなり,結締織であることは例外である.之の柄が崩壊すると母地との連絡を失ひ,所謂死骨腫(Gillmann)となる.軟骨細胞を骨腫組織中に發見することは極めて稀な例外である.
KITAMURA reports a case in whom a woman aged 23 is found with compact osteoma that originated from the upper portion of anterior ethmoidal cells and which invaded the orbit as well as part of mxaillary sinus. The patient complained of repeated attacks of transcient vertigo-accompanied by diplopia and tinnitus. Marked exopthalmos was present. The tumor was removed sargically and the patient made a complete recovery.
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