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対照的に見られた廣基性半骨性鼻内癒着症
宮田 ヤエ
1
,
松本 チサ
1
,
牧野 ツヤ
1
,
穗積 チヱ
1
1福島女子医專耳鼻科教室
pp.214-215
発行日 1950年5月20日
Published Date 1950/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200344
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1)鼻内癒着症は往々に見られる疾患であり,分類して膜性及骨性癒着,又癒着部位よりして前部.中部及後部鼻内癒着症に分ける.先天的及後天的の素因が考えられ,前者は骨性癒着,後者は膜性癒着が最も多い.而も後天的には結核,癩,黴毒等の鼻腔内慢性炎症の後遺症として來るもの,鼻内手術後に來るもの乃至外傷の結果として來るものがある.症状は鼻閉塞,頭重感,咳,クシヤミ等の反射性神経症等であり,診断は一見して容易である.
治療法としては骨性及膜性両者共手術的に癒着部を除去し,再癒着するのを防ぐことにあり,そのため特にカッツ氏手術等も考案されてゐる.要するに普通に見られる疾患であり,且手術も容易であるが再癒着が執拗に起り,その意味で面倒な疾患とされる.此処にこの種のものとしては稀にみる症例があるから報告する.
Miyata and her associates report a case in which difficulties were encountered in prevent-ing re-adhesions of nasal mucous membranes fo-llowing surgical separation of the broad osseous adhesion which existed for 20 years since the time when the patient at the age of 6 recieved a severe blow on her nose.
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