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舌根部に初發した細網肉腫の1例
矢部 寬
1
,
野々村 茂
1
1新潟醫科大學耳鼻咽喉科學教室
pp.210-212
発行日 1949年5月20日
Published Date 1949/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200182
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細網肉腫の大部分は頸部及びそれより上部に初發し,特に口蓋扁桃腺,頸部淋巴腺,鼻咽腔,鼻腔等から始まる事が非常に多く,從つて我科領域に於て發見され治療されるものが比較的多い.淋巴性細網肉腫は全身の淋巴結節からばかりでなく,脾臟とか粘膜下其他に存する凡ゆる淋巴組織細網細胞からも發生するものであるから,舌根部の淋巴組織から發生しても何等異とするに足らない譯であるが,轉移性を除き,舌根部に本腫瘍の初發した例は文献的にも極めて少く,我邦では昭和18年江崎氏が右舌根部に初發した例を報告しているに過ぎない.私は最近當教室に於て左舌根部に初發した細網肉腫1例を經驗したので報告する.
Author reports a case of reticulosarcoma de-veloped at the root of the tongue. An important point in this case is that there was a suspected metastasis of growth on the ilium.
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