--------------------
錐体炎に就て
仁保 正次
1
,
仁保 三四次
1
,
望月 昇
1
1横濱鏡友會
pp.198-204
発行日 1948年11月1日
Published Date 1948/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200092
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
第1編 症例報告
緒言
私は昭和14年以來恩師香宗我部教授、猿渡教授の下に於て錐體炎に就て度々學會に或は雜誌に報告した。昭和17年横濱に來てからも東京地方會或は會報に度々報告した。昭和16年より17年に亘り、猿渡教授と共に日本耳鼻咽喉科全書の錐體炎を書き、當時迄の世界の文献に就き一應總括した。然し原稿は克誠堂にて、原稿の下書及び寫眞材料等は私の病院で戰災にて燒けてしまつた。當時私は軍務に服してゐたので何から何迄すつかり燒失し、私の頭の中に殘つてゐた事も軍服と共に大部分忘失してしまつた。
然し乍ら再び病院を開設し、診療に從事して見ると、從來減荷手術をして「スルフアチアゾール」「メチールチアゾール」を内服靜注して、尚改善されざる時殊に生命の危險のある時は直接的錐體手術一點張にて通つて來たものが、動脈注射或は「ペニシリン」の動注、筋注等に因り直接的錐體手術は殆んどなくなり、極めて惡いものでも減荷手術で濟む樣になつてしまつた。
Copyright © 1948, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.