臨床實驗
軸性視神經炎の潜在性に就て(1)
佐々木 統一郞
pp.600-604
発行日 1952年8月15日
Published Date 1952/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201233
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——(その1)症例に對する考察——
眼精疲勞又は輕い視力障碍を訴えて訪れ,眼鏡,眼姿等の矯正で症状緩解せぬものに,視野暗點の検査により軸性點の潜在を認め,其の治療を加味して初めて滿足すべき結果を得ることがある。同樣の輕症軸性炎が爾他眼疾患に共存して自他覺症状を複雑ならしめて居る場合も少なくない。
検出される暗點は主として色視標特に赤に對する比較的虚性暗點に止まり而も良視力を保有する場合が多いので多忙な外來では看過され易いが,展々近視,近亂等と誤まられ,之の方面の研究にも影響する處少なからぬ樣に思われるので,2,3症例を掲げて本症潜在の診斷的意義を明らかにし併せて私見を加えて見たい。
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