論説
發聲時軟口蓋運動、特に鼻咽腔閉鎖の觀察
鈴木 篤郞
1
1東北大學醫學部耳鼻咽科學教室
pp.122-124
発行日 1948年6月1日
Published Date 1948/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200075
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緒言
發聲時に際しての軟口蓋運動、特に其の鼻咽腔閉鎖の問題については多くの觀察乃至種々の方法に依る實驗がある。そしてそれらの大要はRabotnoff,Dylewski或は大藤、懸田、杉等の文献に依り知る事が出來る。特殊な症例を利用しての直接觀察の報告も寡くないがDylewskiに依ればVoltolini,Joachim,Zarniko,Liskovius,Fränkel,Müller等は開鼻音のみならず、普通の母音發聲に於ても鼻咽腔は完全には閉鎖されずと云ひ、Hartmann,Czermak,Gutzmann,Oltuszewski,Nadoleczny,Einthoven,Beck等は鼻音以外では總ての音で氣密に閉鎖されるとしている。Dylewski自身は不完全閉鎖説に左袒している。
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