實驗室より
オツシログラフの觀察裝置
若林 勳
1
1東京大學醫學部生理學教室
pp.116
発行日 1949年8月1日
Published Date 1949/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905465
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シーメンスのオツシログラフでは廻轉鏡が多角形になつてゐて,過渡的な現象でも洩れなくよく見えるが,私の使用してゐる本邦製のオツシログラフでは四角鏡である故,刺激を與へて活動電流を見るやうな時,都合よく鏡で反射して見える確率は可成小さい。何度も刺激をやり直して,その内一回位現象が見えるといふ始末なので,私は圖の樣な廻轉面を作つて多年便益を得てゐる。
曲面は,厚い木を糸鋸で,二重にしたアルキメデスの螺旋形にくりぬき,曲面を平滑にしてから之を鋸で二枚に割り,二枚の螺旋板の間に適當な柱を入れて固定し,螺旋面にはオツシログラフ用のブロマイドの白い紙面を外にして巻きつけ糊で木にはりつける。この中心に金屬の軸を入れ,圖の樣な木箱に挿入する。軸の外に出た部はオツシログラフのドラムに於けると同樣にして廻せばよい。振動子から反射した光は圓柱レンズで集められこの白い廻轉面上にあたるから,その上に現象の曲線が描かれる。
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