論説
口蓋扁桃腺に原發せる細網腫の1治驗例
黄 登洲
1
1岩手醫學專門學校耳鼻咽喉科學教室
pp.51-55
発行日 1946年11月20日
Published Date 1946/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200014
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緒言
淋巴性系統の惡性腫瘍所謂淋巴肉腫は1893年Kundratに依り初めて淋巴肉芽腫なる疾患群より分離獨立せられしものなるも,尚時に之が非定型的なる組織像を呈するもの報告せられ,1924年に到りKomockiは細網組織の腫瘍性増殖を來たせる例に對し細網腫なる名稱を與へたり。
近時淋巴性系統の腫瘍中,其末熟型たる淋巴肉腫或は細網肉腫に就ての報告甚だ其數を加へ幾多貴重なる業績を見るに反し,之が成熟型たる細網腫乃至細網腫症は頗る稀有なるものの如く,本邦にては吉田(1936)の20歳男子に於ける細網腫症剖檢例以來,小川(1937),三村(1937),渡部(1939),久保村(1942)の各1例計5例を算するのみなり。
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