論説
横隔膜痙攣を伴ふ全嚥下筋の連續周期的痙攣に就て
今井 龍雄
1
,
伊達 忠直
1
1仙臺赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.55-58
発行日 1946年11月20日
Published Date 1946/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200015
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緒言
軟口蓋間代性痙攣は稀なる疾患にして,本邦に於ける報告例も20例を超ゆる程度なり。本痙攣は多くは兩側に,稀れに1側にして,時に單獨に,時に聲帶,咽頭後壁の痙攣と共に他覺的耳鳴を隨伴して現はる。本邦文獻に於て更に鼻翼の痙攣を伴へるものには鈴木氏報告例あり。鼻翼及び頸部の痙攣を伴へるものには蒲島,岩田氏報告例あり。前頸部の痙攣を伴へるものには勝治氏報告例,御氏報告例あり。前額特に喉頭,胸鎖乳頭筋の痙攣を伴へるものには勝治氏報告例あり。前額諸筋,左側顏面筋簇の痙攣を伴へるものには田上氏報告例あり。耳殻の痙攣を伴へるものには淺井氏報告例,關氏報告例あり。されど横隔膜の痙攣を伴へるものの記載はなし。余等は全嚥下筋の連續周期的痙攣にして,横隔膜痙攣を伴へる稀有なる1例を經驗したるを以て茲に其概要を報告せんとす。
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