論説
ヂフテリー樣所見を呈せる成人咽頭黴毒2症例
藤原 茂夫
1
1京都府立醫科大學耳鼻咽喉科教室
pp.47-50
発行日 1946年11月20日
Published Date 1946/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200013
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1.緒言
咽頭黴毒は,咽頭粘膜の性質,及び外部から食物,唾液,微生物等により種々の刺戟を受け易い部位にあるので,その病態は種々なる形を取り,診斷に際し特に注意が必要である。
余は最近2例の咽頭黴毒に於て口蓋扁桃腺及び其の他咽頭部に表はれた所見がヂフテリーに酷似し,あまつさへヂフテリー桿菌樣の細菌を證明し,之れを過重視したる爲,デフテリーと誤まられた症例に遭遇したので此處に報告する次第である。
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