論説
鼻翼に發生せる基底細胞癌の1治驗例
林 薩雄
1
1東東慈惠會醫科大學耳鼻咽喉科教室
pp.58-60
発行日 1946年11月20日
Published Date 1946/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200016
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1.緒言
鼻部に發生する惡性腫瘍には癌腫が最も多く之は吾人の屡々遭遇する所であるが,從來我々耳鼻咽喉科臨床を訪れるものは多くは鼻腔,副鼻腔に原發する癌腫にして就中上顎洞より由來するもの多く,外鼻に發生するものは比較的稀にして其の報告も本邦に於ては加納,高島,分目森,飯沼,佐竹,白石,赤井,久保村,西脇等の諸例にして門基底細胞癌としては加納,高島,森,久保村,赤井,西脇氏等の報告があるのみである。余も最近鼻翼に發生し長き經過をとれる基底細胞癌のラヂウム照射により治癒の状態に達したる一例に遭遇したるにより,此處に追加報告し諸賢の參考に資せんとする次第である。
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