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特集 シンポジウムIV.最近の顕症梅毒
顕症梅毒の治療—過去3年間の新鮮梅毒に対する治療成績を中心として
THERAPY OF SYPHILIS RECENTA: THERAPEUTIC RESULTS OF EARLY SYPHILIS IN THE LAST THREE YEARS
樋口 謙太郎
1
,
幸田 弘
1
,
都外川 幸雄
1
Kentaro HIGUCHI
1
,
Hiroshi KODA
1
,
Sachio TOTOKAWA
1
1九州大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyushu University School of Medicine
pp.1234-1238
発行日 1965年11月20日
Published Date 1965/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204238
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I.はじめに
長い間ほとんど見ることのなかつた新鮮梅毒が,再び姿を現わし始めた昭和36,37年頃からすでに3年余の年月を経過した。この間梅毒患者は徐々に増加の傾向を示し,今や再び皮膚科領域における重要な疾患の1つとなりつつある。このような事態にさいし過去3年間の治療成績をまとめてみることも無駄ではあるまい。
駆梅療法に関してはすでに多くの論文があり,とくにペニシリンの登場以後治療成績は飛躍的な進歩をとげた。しかし現在なお治療法に関しては一定した基準がない。というのも臨床症状の消褪と梅毒血清反応のそれとが必ずしも一致せず,治癒判定も数年あるいは10数年を要することにもよるが,しかしながら臨床医が最も知りたいことは,はたしてどれだけ治療しておけば安心できるかということであろう。そこでわれわれは次ぎの点にポイントをおいてまとめてみた。①第1期あるいは第2期に対しては最小必要量はどれだけか,②従来の駆梅療法は新しく登場した新鮮梅毒に対しても以前と同様の効果をあげうるか,③ペニシリン以後登場した抗生物質の駆梅効果はどうであるか。
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