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特集 シンポジウムI.皮膚の病態生化学
皮膚の酸性ムコ多糖類とその組織化学像との関係
ACID MUCOPOLYSACCHARIDES IN THE SKIN AND THEIR HISTOCHEMICAL DEMONSTRATIONS
佐野 栄春
1
Shigeharu SANO
1
1神戸医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe Medical College
pp.1181-1187
発行日 1965年11月20日
Published Date 1965/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204229
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I.まえがき
周知のようにムコ多糖類とはアミノ糖を含む多糖類で,酸基(水酸基,硫酸基)をもつものを酸性ムコ多糖類(以下AMPSと略記)と総称,その存在の確実なものに次の8種が知られている。即ち1)Hyaluronic acid(HA) 2)Chondroitin 3)Chondroitin sulfate A(ChSA) 4)Chondroitin sulfate B(ChSB) 5)Chondroitin sulfate C(ChSC) 6)Heparin(Hep) 7)Keratosulfate 8)Heparitin sulfate。それぞれの組成,組織内分布,物理化学的性質等については多くの成書があり,又,我々も前に解説したことがある1)ので省略するが,その構造の差により生物学的作用を異にし,とくに近年線維形成と密接な関係をもつて,それらの質的量的変化が問題となりつつある。そういう意味から組織AMPSの抽出分画定量がのぞまれる所であるが,方法の煩雑ないし不備や種々の制約のため,臨床的に応用する域にはほど遠く,多くは組織総ウロン酸或いはヘキソサミンを定量,それから総AMPS量を概算するにとどまつていた。
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