論述
慢性関節リウマチにおける酸性ムコ多糖分布について
新名 正由
1
,
生越 英二
1
Masayuki SHINMEI
1
,
Eiji OGOSHI
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.874-886
発行日 1972年11月25日
Published Date 1972/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904760
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はじめに
慢性関節リウマチ(以下RAと略す)は,一つの独立疾患であることに異論はないが,それはあくまで臨床概念であり,病因的にも病態生理学的にもいまだ決定的な因子は明らかにされていない.1950年,Klempererは膠原病を"結合織の汎発性の変性,特にその細胞外成分の異常を特徴とする急性および慢性の疾患"と定義し,RAもその一つに数えているが,免疫学の進歩とともに,RAに関する病因的研究も免疫学的側面よりの検討が主流となり,現在自己免疫疾患の一つに数えられている.しかしながら病理学的に明らかにされている滑膜組織における細胞および血管増殖,フィブリノイド変性,肉芽組織の形成などの変化と免疫反応がどのように対応するのか,免疫反応が単に疾患の慢性化に関与しているだけにすぎないのか,全く未知といつても過言ではない.
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