海外見聞記・23
第60回AUA総会印象記(2)
田崎 寛
1
1慶応大学泌尿器科
pp.1034-1035
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204201
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一般演説の中から目立つたものを拾つてみることにする
Experience with Ultraviolet Cystoscopy in Pa—tients with Bladder Tumorsという演題はNew YorkのMemorial HospitalのDr.W.F.Whitmnore,Jr.とI.M.Bushとにより発表されたが今回の総会で最も注目されたものの一つであつた。これはMercury-arcを光源としfiber optic transmissionを使つた新型Cysto—scopeで,患者に予めTetra cyclineを飲ませておきそれが病変部で発する螢光を見ようというもの。同じ原理は胃鏡で既に実用化されようとしているので全くori—ginalのideaではないが膀胱腫瘍の組織診断は容易でないことが多いし,また多発性と再発性を特徴とするだけにこれを膀胱鏡に応用しようという試みは買われる。特に初期の癌と炎症性変化の鑑別に有用性を強調していた。carcinomaの内48病巣に螢光を認め3病巣に認めず一方papillomaでは2病巣にのみ螢光を認め,11病巣には螢光を認めなかつたとの事である。なお尿沈渣の細胞についてはこの方法はうまく行かなかつたと述べた。
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