Japanese
English
--------------------
Klebsiella属菌による尿路感染症について—II.実験編 附.自家ワクチンによる治療
STUDIES ON THE INFECTION OF THE URINARY TRACT BY KLEBSIELLA PNEUMONIAE: II.EXPERIMENTAL STUDIES
福井 一郎
1
,
谷村 実一
1
,
西垣 定雄
1
Ichiro FUKUI
1
,
Jitsukazu TANIMURA
1
,
Sadao NISHIGAKI
1
1大阪医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Osaka Medical College
pp.583-587
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203806
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒 言
抗生物質療法と関連して発生する菌交代症については近来各方面から注目され,その成因病理に関しても多くの報告に接し得る。著者は第I編において,尿中よりKl.pを分離した諸種尿路感染症6例についてその臨床経過の概略を述べた。6例中5例はすべて抗生物質或は化学療法剤による治療後に本菌の出現をみたもので,これらは明らかに菌交代現象の所産と思惟される。またKI.pの病原性については,臨床上明らかに本菌が感染の起因となつたか,或はこれを増悪せしめたと考え得る症例,逆にその病原性を否定すべき症例などまちまちで,未だ一定した結論に達していない。
本編では,実験的に患者尿より分離したKI.pについて,i) LD50値を測定し,ii)本菌の静脈内注射により菌血症を惹起せしめた家兎の各臓器の組織学的検索をおこない,他方臨床的に,iii)自験全例における本菌の薬剤感受性試験結果について概述したい。また本菌症に対する自家ワクチンの治療成績についても若干の知見を加えたいと思う。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.