増刊号 感染症クイックリファレンス
原因微生物
グラム陰性桿菌
Klebsiella pneumoniae & K. oxytoca
中村 竜也
1
1神戸大学医学部附属病院検査部・感染制御部
pp.226-227
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207089
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学名 Klebsiella pneumoniae & K. oxytoca(クレブシエラ・ニューモニエ&クレブシエラ・オキシトカ)
和名 肺炎桿菌(K. pneumoniae)
◎性状と特徴
大きさ0.3〜1.0×0.6〜6.0μmのグラム陰性桿菌で,非運動性である.感染病巣から分離した菌では,莢膜が観察されることがある.寒天培地では24時間培養で,灰白色・半球状・粘調性のある大きなムコイド集落を作る.ムコイド株の場合,菌体の周囲の莢膜が赤染される,または抜けて見える.集落を白金耳で注意深く釣菌すると,数mmに及ぶ粘性のある薄い膜が伸びる(K1産生株).ブドウ糖を発酵的に分解し,ガス産生陽性で,乳糖・白糖を分解する.VP(Voges-Proskauer)テスト陽性でクエン酸塩を利用する.オルニチン脱炭酸反応は陰性,リジン脱炭酸テストは陽性である.K. oxytocaはインドール陽性であることから,ほかのKlebsiella spp.と鑑別可能である.
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