Japanese
English
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Klebsiella属菌による尿路感染症について—Ⅰ.臨床編
STUDIES ON THE INFECTION OF THE URINARY TRACT BY KLEBSIELLA PNEU-MONIAE : I. CLINICAL STUDIES
福井 一郎
1
,
谷村 実一
1
,
西垣 定雄
1
Ichiro FUKUI
1
,
Jitsukazu TANIMURA
1
,
Sadao NISHIGAKI
1
1大阪医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Osaka Medical College
pp.437-441
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203766
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I.緒 言
最近における抗生物質療法の普及と共に各種菌交代症による疾患が各科領域で認められつつあることは衆知の事実である。最近我々はKlebsiella pneumoniaeが起因となり重篤な尿路感染症状を惹起し,且つ抗生物質の使用が本菌感染症の発生を容易ならしめたと考えられる症例を相ついで経験した。従来の報告のうちで尿路感染症の尿中にKlebsiella pneumoniae(以下KL. P)を検出したものでは1921年Illyes et alらがあり,また1957年Sanjorjoは289例の腎盂腎炎患者の尿から起因菌と考えられる13種,325株を検出し,このうち1例は本菌による混合感染症であつたと報告している(第1表)。
又最近にいたり免疫学的細菌学的にも数多く本菌に関する業績に接し得る。しかし一般に尿路感染症に対する抗生物質療法が他臓器のそれに比し極めて重要であるにもかかわらず,尿路感染症とKLpとの相関関係について詳細に検討し報告されているのは極めて少ない。我々は抗生物質の乱投与によつて症状が更に増悪した各種尿路疾患々者,又全く抗生物質療法をうけていない尿路感染症について,細菌学的に精査をおこなつた結果,その原因がKl. Pによると考えられる症例がかなりの数に認められることを知つた。
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