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皮膚科図譜・148
カーチン氏皮膚削剥法によるプリングル氏病の美容的治療
SKIN PLANING METHOD WITH KURTIN'S BRUSH EOR PRINGLE'S DISEASE
大原 一枝
1
,
藤田 尚信
1
Kazue OHARA
1
,
Hisanobu FUJTIA
1
1関西医科大学皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Kansai Medical School
pp.477
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203513
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DermabrasionあるいはSkin planingけ1905年Kromayerが歯科用やすりを皮膚科に応用したのに端を発し,SchreusのGlinder法 Iversonのサンドペーパー法 およびKurtinのWire brush法などがこれに含まれる。後者は1952年Kurtinが考案発表した,電動モーターで回転するステンレス鋼刷毛を用いて,あらかじめクロルエチルで凍結せしめた皮膚面を,麻酔を行わず削剥する方法で,以後多数例の経験により種々改良が加えられ,器械の面ではWire brushからダイヤモンド又はルビーの細片をうえた砥石や鋸歯をもつた鋼鉄の車輪が,また冷却法もクロルエチルに代つてフレオン114(Dichlorotetrafluoroethane)が用いられるようになり,適応症も漸次拡大.従来の痤瘡瘢痕,いれずみ,母斑などの除去のほか,苔癬,老人性角化腫,上皮腫,基底細胞癌,更に棘細胞癌にまで応用範囲が拡大されつつある。しかし勿論,適応の決定については充分慎重を要する。
われわれも尋常性痤瘡,プリングル氏病,ダリエ氏病,Fox-Fordyce病などにこれを応用し良効を得た。図示したのは,25歳女子および15歳男子のプリングル氏病に,Robin社製のKurtin's brush(1分間12,000回転)を用いて本法を行なつた術前及び術後の所見である。
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