Japanese
English
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偏側性プリングル氏病の1例
A CASE OF UNILATERAL PRINGLE'S DISEASE
石原 文之
1
F. Ishihara
1
1東京大学医学部附属病院小石川分院皮膚科
1Department of Dermatology, Branch Hospital of the University of Tokyo
pp.267-269
発行日 1958年3月1日
Published Date 1958/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202209
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古くから臨床上,「幼小時より顔面に対側性に発生し,その後治癒することなく而も比較的良性に経過する一種の母斑性の小腫瘍」が多くの学者により記載され,かかる皮疹は組織学的には主として真皮に於ける脂腺,結合織,及び血管組織に変化を呈するものである点も観察されて来た。この様な皮膚病変にBalzer,Ménétrier(1885),次いでPringle(1890)が始めて脂腺腫なる名称を与えたのは衆知のことである。その後症例の増加に伴い,各種の研究考察がなされた結果,その命名及び組織像をめぐる論議にいささか混乱を呈した時代もあつた。しかしともかく本症はHallopeau9)がNaevi symétriques de la face,Jadassohn9)がmultiple symmetrische Gesichtnaevi等と命名した如く,臨床上皮膚所見の焦点が顔面に発生する対側性の小結節にあることは断るまでもない。
私は最近本症が全く偏側性に出現した興味ある1例を経験したのでここに報告する。
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