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思いつくまま(26)
岡本 健一郎
pp.425
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203504
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戦後日本各地で多くの中小都市に市制がしかれて,なじみの薄い○○市という名前が続出した。鹿児島県も御多分にもれず220万の人口に現在16の市がある。九州本土に14,種子島,奄美大島に各1である。
ところがこの16市のうち泌尿器科の専門医のいるのはわずかに3市にすぎないからかぞえてみてあらためて驚く次第である。もちろん庇児島市に集中しているせいもある。昨年の日本泌尿器科学会50周年記念式典で高橋名誉会長は「本学会は昭和20年までの発展期を経て,第2次大戦後は全国大学の過半数に独立講座ができ現在は成熟期といえよう」と述べられた。学会と学問は成熟期に入つたがその恩恵は本邦南端の辺陲にはまだおよんでいないわけである。
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