Japanese
English
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夜尿症の臨床的研究第2編—夜尿症における自律神経機能について
CLINICAL STUDY ON NOCTURNAL ENURESIS II. : CAUTONOMIC NERVOUS FUNCTION IN NOCTURNAL ENURESIS
海野 良二
1
,
岡山 誠一
1
,
山本 泰秀
1
R. UNNO
1
,
S. OKAYAMA
1
,
Y. YAMAMOTO
1
1川崎市立川崎病院皮膚泌尿器科
1Department of Dermatology & Urology Kawasaki Municipal Hospital
pp.389-391
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203494
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I.緒論
夜尿症については従来より種々の病因が挙げられている。その研究に関して国外および国内を通じ多くの文献が存するが,自律神経の異常は重要な一因と考えられ,特にVagotonieが重要視されている。排尿現象の神経支配は大部分が自律神経系によるもので,膀胱神経叢がこれに関与している。即ち膀胱壁は利尿筋と括約筋とよりなり,これら二筋の相互の収縮弛緩および陰部神経の協調の下に正常な排尿現象を営むものと考えられる。膀胱壁には下腹および骨盤の二種の神経が支配しており,この内下腹神経は交感神経,骨盤神経は副交感神経とされている。然しながら直接排尿に関与する神経,即ち利尿筋の収縮を起す神経は副交感神経と考えられており,交感神経は膀胱の温覚,痛覚等の感覚を伝導すると思われ,排尿運動には直接関与しないといわれている。ただ膀胱三角部筋だけは交感神経支配を受けると考えられている。従つて排尿運動に最も重要な神経は副交感神経である。
我々は昭和36年5月から昭和36年10月迄の5カ月間に37人(7歳〜25歳・♂69♀68)の夜尿症患者を経験し,50例(10歳〜25歳)に薬物学的検査その内の25例(10歳〜25歳)についてマノイロフ氏血清反応を施行したのでその結果を報告する。
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