増刊号特集 小児泌尿器科診療
治療の実際
夜尿症
多田 実
1
,
赤司 俊二
2
,
滝本 至得
3
1埼王県立小児医療センター泌尿器科
2埼玉県立小児医療センター腎臓内科
3日本大学駿河台病院泌尿器科
pp.127-131
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901168
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
遺尿症とは排尿調節可能の年齢に達しても無意識的排尿が起こる状態をいい,夜間就寝中に生ずるのが夜尿症である。夜尿症は原因別に大きく,明らかな基礎疾患を有する器質的夜尿(遺尿)症と明らかな基礎疾患を有さない機能的夜尿症に分けられる(表1)。器質的疾患に対しては適切な治療法を行うのは当然であり,これらを除外診断することなしには機能的夜尿症の治療へは結びついていかない。
本稿では筆者らが過去10年間に経験した夜尿症児の中から,夜尿(遺尿)を主訴に当院を受診した器質的夜尿症の2症例を紹介し,次に機能的夜尿症の病型分類,病因そして治療法について,最近の知見を述べたい。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.