増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
排尿障害
夜尿症
妹尾 康平
1
1福岡市立こども病院泌尿器科
pp.159-161
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900888
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夜間遺尿の関連要因と特発性夜尿の自然経過 小児の遺尿の中には,①尿量が多いための遺尿,つまり尿崩症・糖尿病・腎疾患(ネフローゼなどの内科的なもの,水腎症のような尿路奇形)など低浸透圧・多尿によるものと②蓄尿と排尿のコントロールが不十分なもの,すなわち神経因性膀胱・知能発育障害などの精神・神経障害に由来する尿失禁もある。一方,これら明らかな要因疾患を特定出来る続発性失禁に対して③原因疾患を特定出来ない典型的な特発性夜尿がある。要因をはっきり特定出来る①と②の場合をまず除外し,いわゆる夜尿症についてみても,すべての夜尿児が均一な徴候,表現型を呈するのではなく,個々の症例でいろいろな徴候に表現の強弱や特長がみられる。夜間遺尿を取扱うに際しては,これらの分別を出来るだけ(しかし年齢相応にnon-invasiveな形で)客観的・他覚的にとらえることが大切となる。
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