Japanese
English
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微粒子Griseofulvinを用いる実験的皮膚真菌症の治療に関する研究
ORAL TREATMENT OF EXPERIMENTAL DERMATOPHYTOSIS WITH MICROCRYSTALLINE-GRISEOFULVIN
松田 明
1
,
蜂屋 昇
1
,
川村 良夫
1
A. MATSUMOTO
1
,
N. HACHIYA
1
,
Y. KAWAMURA
1
1日本火薬研究所
1Research Laboratory, Nipon Kayaku Co. Ltd
pp.357-362
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203487
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I.はじめに
近年,薬物の物理化学的性状や投与形態等の検討によつて,その生物学的作用を十分発揮せしめる研究が盛んであり,Biopharmaceutics1)という言葉も用いられている。中でも薬物の結晶粒子の大きさと血中濃度との間には密接な関連があり,微粒子製剤が通常のものに比較して高い血中濃度,効果を示す事はAspirin,Sulfa剤等についてよく知られている。最近Atkinson等2)はGriseofulvin(以下Gr.)の投与量,投与形式と血中濃度の消長の検討を行い,結晶のparticlesize(以下p. s.)と血中濃度との間に一定の函数関係を見出した3)4)(第1図参照)。その研究によればmean particle size(以下m. p. s.)10μのものを2.8μに微粒子化すれば血中濃度が2倍となり,従つて1/2の投与量によつて従来と同様の効果を期待しうるとした。その後2,3の基礎的5),臨床的実験6)7)において1/2量でも有効であるとされてから内外において,にわかに注目を集めて来た。著者等は今回程度の異なるm. s. p. を有するGr. を用いて,動物実験白癬に対する有効性をp. s. および投与量との関連において検討を行つたのでその結果を報告する。
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