Japanese
English
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Griseofulvinの白癬に対する治療効果について
TREATMENT OF FUNGUS INFECTIONS WITH GRISEOFULVIN
江本 侃一
1
,
多田 弘
1
,
赤沢 大
1
Kanichi EMOTO
1
,
Hiroshi TADA
1
,
Dai AKAZAWA
1
1徳島大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, School of Medicine, Tokushima University
pp.603-607
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202856
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皮膚白癬症に対する局所療法は,今まで数多くの薬剤が使用されているにもかかわらず,未だ充分にその目的を達し得ないことが屡々認められている。白癬の治癒し難い理由の一つとして糸状菌が表皮角質層内に寄生すること,従つて表皮の保護作用のため薬剤の病巣部への滲透が妨げられることが挙げられている。この点から薬剤を内服あるいは非経口投与法により身体内部より角質層に移行せしめて,病原菌に直接作用させるか,または病巣部の環境に変化を生じさせて,菌の発育,成長ないしは生存に不適な状態にする方法が考えられていた。
Griseofulvinは1936年にPenicillium grise-otulvum Dierckxの変異株から分離された抗生物質であるが,D.L.Williams (1958)らの臨床実験の結果,その優秀な治療効果が実証されて急に世の注目を浴びるようになつた。
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