Japanese
English
原著
白癬に対するGriseofulvin経口投与の治験
CLINICAL EFFECT OF GRISEOFULVIN ON DERMATOPHYTOSIS
加納 魁一郎
1
,
佐々田 健四郎
1
,
鈴木 靖雄
1
Kaiichiro KANO
1
,
Kensiro SASADA
1
,
Yasuo SUZUKI
1
1名古屋大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Nagoya University
pp.709-713
発行日 1961年8月1日
Published Date 1961/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203112
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Ⅰ.緒言
1939年Oxford et al13)に依りPenicilliumgriseofulvum Dierckの変異株から分離されたGriseofulvin (以下Gと略)は無色,中性,耐熱性の結晶である。1946年Brian2)が糸状菌に対してGが"Curling factor"なる事を発見し,次第に生物学的に利用される様になつた。Grove etal4)が植物真菌症に使用し,発育抑制作用のある事を認め,Lauder et al8)も羊の白癬に有効であると報告した。1959年Riehl15)は人体の白癬に投与し,Williams et al24)はTrichophyton rubrumに原因する症例に1日2gを与え各々好成績を得た。Blank et al1)は31例の白癬に使用し使用量,適応等に一応の規定をつくつた。以後本邦にも輸入され昨年来多くの報告が見られる。
今回武田製薬,アメリカンシェーリング,住友化学の各社より提供を受けたG製剤を表在性白癬並びに深在性白癬に使用し,此等の成績を一括して報告する次第である。使用製品はポンシル,フルビスタチン,フルシンで各1錠中G含有250mgの錠剤である。
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