連載 暮らしに潜む環境問題
ディーゼル排気微粒子
前田 和甫
1
1東京家政大学
pp.746-751
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901773
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1.なぜディーゼルなのか
本編のタイトルはディーゼル排気微粒子であり,ディーゼル排気ガスではない.従来からディーゼル排気という時には,一般的に排気微粒子とガス状の排気物(CO,CO2,NOxその他多種類の揮発性有機化合物(VOC))の両者を含んだものであった.あえてディーゼル排気微粒子とタイトルを選ぶのは,最近の研究で汚れた空気の健康影響はガス状汚染物の濃度よりも粒子状汚染物の濃度との関連が強いことを示す優れた疫学調査が相次いで発表され,世界的に認知されてきているがゆえと了解している.ディーゼル排気の健康影響が問題になっているのもまさにその主成分がサイズの小さな微粒子で,肺の奥まで吸入され得るのが大半を占めているからなのである.
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