Japanese
English
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急迫尿失禁症の1治験例
AN OPERATION FOR THE STRESS INCONTINENCE
重松 俊
1
,
栗林 忠央
1
,
三原 謙
1
Shun SHIGEMATSU
1
,
Tadahisa KURIBAYASHI
1
,
Ken MIHARA
1
1久留米大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, Kurume University School of Medicine
pp.141-144
発行日 1962年2月1日
Published Date 1962/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203224
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I.緒言
尿失禁は患者にとつては極めて不愉快な症状であると共に,我々にとつては屡々治療に難渋する疾患の一つである。不随意的に常時尿を漏らす状態を完全尿失禁と言うのに対し,衝撃の加わつた場合のみに失禁し,平常時には尿を保持出来るものを急迫尿失禁と呼んでいる。つまり立つたり,歩いたり,咳をしたり,物を持ち上げたりする時に尿を漏らすわけである。此の疾患は尿道の解剖学的構造からみても女性に圧倒的に多く,而もそれ程稀なものでなく,Gainey (1943)は成人女性の5.5%に見られると言つている。しかしこの状態を主訴として病院を訪れる人が大へん少いことは各国共通の傾向の様であるが,特に我国に於ては著明である。私は最近本疾患に該当する症例に遭遇し,これにMarschall,Marchetti and Kr-antzの変法であるMathiesenの方法(Oslo)の整形術を施行し良好な結果を得たので報告する。
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