Japanese
English
--------------------
前立腺全剔出術における尿道成形術に就て
URETHRAL PLASTIC OPERATION ON THE TOTAL PROSTATECTOMY
重松 俊
1
,
栗林 忠央
1
,
三原 謙
1
Shun SHIGEMATSU
1
,
Tadahisa KURIBAYASHI
1
,
Ken MIHARA
1
1久留米大学医学部泌尿器科学教室
1Departmet of Urology, Kurume University School of Medicine
pp.35-37
発行日 1962年1月1日
Published Date 1962/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203202
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
前立腺肥大症,及び前立腺癌に対する,前立腺摘除術,及び前立腺全剔除術等の外科的療法は,欧米において既に前世紀の末期以来種々の到達路よりする方法が考案せられ,今世紀に入つてからは既にそれぞれの方法が多数例の経験に基いて盛に論議された。我国に於ても漸く最近10数年間に前立腺外科は急速に進歩し,恥骨上,恥骨後及び会陰式等の前立腺剔除術がそれぞれ一定の手術経験に基き,主として手術手技及び手術直後の成績等から長短を論ぜられている。しかして前立腺肥大症に於ては嚢内剔出術を行うのであるが,前立腺癌は,其の発生が外科的被膜より発生する事が既に衆知の事である。従つて前立腺全剔が推奨され,かつテクニツクの進歩と共にこれの種々の手術が盛に行われる様になつたのである。しかして全摘出術に際し,癌性浸潤が予期以上に進展している場合に遭遇する事がままある。この際の手術侵襲が比較的広範囲に亘り,内括約筋のみならず外括約筋を損傷し,術後尿失禁症状が残存する症例を認めるが,我々はこの種々の障害を可及的僅少とするため,日夜思をめぐらせて来たのであるが,この度膀胱壁弁による後部尿道成形術を行い良好なる結果を得たので報告する。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.