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急迫尿失禁Stress Incontinenceの治驗例
鈴木 昭
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1新潟大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.296-299
発行日 1953年5月1日
Published Date 1953/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200969
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不随意的に,常時尿をもらす状態を完全尿失禁というのに對し,衝撃の加つた場合にのみ失禁し平常時には尿を保持出來るものを,急迫尿失禁Stress Incontinenceと呼んでいる。つまり立つたり,歩いたり,咳をしたり,物を持ち上げたりする時に尿をもらすわけである。この疾患は尿道の解剖學的構造から見ても,女性に壓倒的に多くしかもそれほど稀なものではなく,Gainey(1943)は成人女性の5.5%に見られるといつている。しかるにこの状態を主訴として病院を訪れる人が大變少いということは,各國共通の傾向のようであるが,吾が國では特に著明である。私は最近本疾患に該當する症例に遭遇し,これにGoebell-Fr-angenheimの整形術を施行し,滿足すべき結果を得たので,症例報告とともに急迫尿失禁なるものについて少しくふれてみたいと思う。
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