Japanese
English
原著
パントテン酸カルシウムによる若年性扁平疣贅の治療
TREATMENT OF VERRUCAE PLANAE JUVENILES WITH CALCIUM PANTOTHENATE
松尾 肅
1
Susumu MATSUO
1
1市立旭川病院皮膚科
1Department of Dermatology, Asahigawa Municipal General Hospital
pp.885-886
発行日 1961年10月1日
Published Date 1961/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203153
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I.まえがき
ウイルス性皮膚疾患と考えられる若年性扁平疵贅は,16〜25歳の若年者に頻発し,美容上の見地から皮膚科外来を訪れる大多数のものは女子である。その全身療法には古くより砒素剤,蒼鉛剤,アンチモン剤等の重金属塩製剤の内服或いは注射,また煆性マグネシヤ,ヨクイニン,抗生物質,化学療法剤等の内服が試みられており,夫々に効果を挙げている。
最近パントテン酸カルシウム(以下パンカルと略)が皮膚疾患の治療に応用される様になり,皆見名誉教授は皮膚と泌尿(22巻,59頁)に,パンカルの注射薬(20mg,50mg)で9例(男1,女8)の青年性扁平疵贅の患者が全治した経験を発表しておられ,その中の4例はアジア丸1日1丸内服の併用剤で,5例はパンカル単独投与によるものである。そして治る前に瘙痒感がある例を指摘され,本症と肝機能不全との関連を推定し,約80%に効果があると述べている。
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