Japanese
English
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青年性扁平疣贅のThio-TEPA内服療法
ORAL-TREATMENT WITH THIO-TEPA ON VERRUCA PLANA JUVENILIS
浅井 明
1
,
菅井 昻夫
1
,
石川 謹也
1
A. ASAI
1
,
T. SUGAI
1
,
K. ISHIKAWA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚泌尿器科教室
1Dept.of Dermatology Keio University, School of Medicine
pp.505-508
発行日 1960年6月1日
Published Date 1960/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202834
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I.緒言
青年性扁平疣贅あるいは尋常性疣贅に対する療法は,古くからいろいろと行なわれ,これを良性腫瘍として治療するもの,またはヴィールス性疾患として治療するものなど,数多くの文献を認める。即ち近くは山崎・斎藤のアンチモン剤療法(1940),谷奥の蒼鉛剤ギフロン療法(1947),Hol-lander,Hardyのオーレオマイシン内服(1950),Beinhauerのクロマイ療法(1950),山田のテラマイ軟膏療法(1952),釜谷のナイトロジェン・マスタード療法(1955),谷村のナイトロミン療法(1955),安田のPANS療法(1958)等あるが,概して,抗生物質による単独療法は殆ど無効と思われる。
我々は,元来,白血病,癌腫等の抗癌剤として用いられているThio-TEPA (TESPAMIN)を良性腫瘍たる青年性扁平疣贅,尋常性疣贅に使用して効果があるのではないかと予想した。即ちナイトロジェン・マスタードによる疣贅治療の諸報告に着目し,その化学構造式をしらべると,ナイトロジェン・マスタードの化合物の活性中間体としての,エチレン・イミン環が発見されて,このエチレン・イミン系化合物はナイトロジェン・マスタード類と同様に,本質的にはアルキル化剤に属し,腫瘍に対して同じような作用をもつという事がわかつたためである。
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