Japanese
English
原著
泌尿器科領域に於けるコルチコイド療法
CORTICOSTEROID THERAPY IN UROLOGY
加藤 篤二
1
,
石部 知行
1
,
田辺 泰民
1
Tokuji KATO
1
,
Tomoyuki ISHIBE
1
,
Yasutami TANABE
1
1広島大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology & Urology, School of Medicine Hiroshima University
pp.745-751
発行日 1961年9月1日
Published Date 1961/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203123
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1948年Hench等がリウマチ性関節炎に対しコーチゾンを投与し有効であることを報告して以来,糖質コルチコイド(GC)の進歩はめざましく今日その治療上の存在価値は無視することができなくなつた。一方泌尿器科領域におけるGCの応用は1941年Hugginsが前立腺癌に対し両側副腎剔除が有効である事を報告したのに始まるといえる。次いでVolk,Owens等が薬物学的副腎剔除がコーチゾン等GCの投与によつて得られることを明らかにした。すなわち前立腺癌に対しては自覚症の軽快と共に一時的にせよ腫瘍の縮少がみられるということ,各種炎症性疾患に対し抗炎症作用のあること,又,今迄禁忌とされていた感染性疾患に対しても抗生物質を併用することによりその治癒過程が促進されること,さらに実験的には男性インポテンツにも用いて有効であることが報告され,ここに泌尿器科領域においても新しい治療分野が拡かれつつある。
我々は昭和33年来広大皮泌科外来及び入院で経験した出血性膀胱炎22例,尿路腫瘍13例等を主とする58例に対しGCを使用し,好結果を得たのでこの成績について簡単に報告する。
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